ジャケットのベント。

サルトリア ルイ

2017年03月21日 10:10

 ジャケットの後身頃にある、大きな割れ目を
ベントと呼びますが、この割れ目にも大きく
3種類ありまして、それぞれご紹介したいと
思います。

[センターベント] center vent
最もポピュラーなベントで、背中の中心の縫い目の
下部が開いて出来たもので、センターベントと呼び
ます。元々イギリス人が馬に乗る際にジャケットの
裾を割って乗りやすくしたことに始まったとされ、
テーラー用語で『馬乗り』と表現されたりします
とても優雅なディテールですね。


[フックベント] hook vent
フックつまり『鉤(かぎ)』の意味で鉤型をしたセンター
ベントを指します。
代表的にはアメリカのアイビースタイルのジャケット
特有のクラシックなデザインとして知られています
そういえば、日本でもアイビージャケットが一世を
風靡した時代がありましたね。

[サイドベンツ] side vents
ジャケットの両脇を割ったもので、2箇所の割れ目
になり呼び名もベントの複数形のベンツ!
ブリティッシュスタイルファッションのスーツのに多く
用いられており、由来はその昔、腰にサーベルを
下げるのに便利なために、両脇を開けたことが
始まりとか、日本のテーラー用語では『剣吊り』の
俗称があります。
日本人の私としては、街行くスーツ姿のサラリー
マンに現代のサムライを思い描いてしまいます。





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